地獄のハイウェイ

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大学教育における非科学的な神話

大学教育において「良い研究者であれば良い教育者」と考えることは、
何の「科学的根拠」もない神話の類だとしか言いようがない。

理系の場合、研究業績に関しては何かと問題があるにせよ「定量化」されているかもしれないが、
教育業績の方は今のところ定量化できていない。
従って「研究業績」と「教育業績」の相関を検証することはできないので
「良い研究者であれば良い教育者」は証拠に基づいた主張とはいえないはずだ。
科学とエセ科学の峻別の話でも良く出てくるが
民間療法等に対してEBM(根拠に基づいた医療)の必要性が言われるように
「3た論法」(使っ、治っ、効い式の論法を揶揄した言葉)のような
個人の体験を安直に普遍化するような根拠のない主張には賛成すべきではないはずだ。

それどころか、
教育業績に関して決して良い数量的指標とは言えないかも知れないが、
「薬剤師国家試験合格率」に関しては一度とりあげたように

大学を通過点にする - 地獄のハイウェイ

研究による大学ランクとの負の相関を強く示唆しているようである。

とりわけ理系の大学教官の場合、
科学的思考法の必要性や有用性を日頃訴えているのなら
「根拠に基づいた主張」をするべきではないのだろうか?

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本記事はstochinaiさんのブログサイト「5号館のつぶやき」の
2006年05月06日付エントリ「研究と教育についてのいくつかの伝説」
http://shinka3.exblog.jp/3876258
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