理科教育とか科学コミュニケーションの分野で
サイエンス・リテラシーという言葉が使われるている。
特に理科離れとかそういう文脈で見掛けるようだ。
辞書を引くとリテラシーの原義は読み書きの能力のことだが
サイエンス・リテラシーという言葉は
科学に関して身に付けるべき教養といったものを指しているようだ。
科学者が言ってることや科学ニュースを理解するために必要となる
知識や判断力といったものが想定されているのだと思う。
サイエンス・リテラシーがあるとインチキ科学などに騙されないとか
そういうものが効用として掲げられたりしていることもある。
例えば「あるある大事典」の納豆ダイエット捏造事件に関しても
一般視聴者のサイエンス・リテラシーの欠如が指摘されたりしている。
一方、「あるある大事典事件」に関しては
メディア・リテラシーの欠如も言われている。
このメディア・リテラシーの方は
メディア(主としてマスメディア)が流す情報を
批判的に吟味し取捨選択できる能力のことで、
つまり情報が信頼できるか否かとか
またどのようなバイアスが掛かっているかとか
あるいはどのような編集・加工が加えられたかといったことを
読み取ることのできるような能力を意味している。
では、科学者の発信する情報を
批判的に吟味し取捨選択できる能力のことは
何と言えば良いのだろう?
サイエンス・リテラシーには
インチキ科学・似非科学を見分けるばかりではなく
普通の科学の中のゴミや誇大宣伝に関しても
見分ける能力を含めるべきなのではないかと考えている。