地獄のハイウェイ

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李下に冠を正さず

報道によると、タミフル(一般名オセルタミビル)服用後の異常行動について調査している
厚労省の研究班の主任研究者である横田俊平教授(横浜市立大)の講座が
タミフルの販売元の中外製薬(製造元のロシュの傘下)から
奨学寄附金を受け取っていたそうだ。

厚労省の研究班というのは正確には
「インフルエンザに伴う随伴症状の発現状況に関する調査研究」で
平成17年度の報告書はネットで見ることができる。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/dl/tp1020-2.pdf

また厚労省は今年2月28日付けで
「インフルエンザ治療に携わる医療関係者の皆様へ」という発表を行っている。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/02/h0228-3.html
その中では上記の報告書がタミフルの安全性の根拠として引用されている。

率直に言って、いわゆる利益相反によって
タミフルの安全性に関わる研究の妥当性が、
資金提供によって不当に影響を及ぼされかねない状況である。
異常行動とタミフルとの関係については
「インフルエンザに伴う随伴症状の発現状況に関する調査研究」班ではなく
中立性を確保した別の研究班によって調査を進めるべきではないか。