地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

STAP細胞事件での理研の対応を非難する

今回のSTAP細胞スキャンダルについて、
理研は沈黙を守っているようだが、
この対応は全く以って非難に値するものだ。

問題は沢山あるが直ちに謝罪すべき問題は、
最初のプレスリリースの時点での誇大広告である。
記者会見と比べればプレスリリースの方はまだ控えめだが、それでも
「STAPは全く新しい原理に基づくものであり、例えば、iPS細胞の樹立とは違い、STAPによる初期化は非常に迅速に起こります。iPS細胞では多能性細胞のコロニーの形成に2~3週間を要しますが、STAPの場合、2日以内にOct4が発現し、3日目には複数の多能性マーカーが発現していることが確認されています。また、効率も非常に高く、生存細胞の3分の1~2分の1程度がSTAP細胞に変化しています。」
http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140130_1
というように迅速で非常に高効率だと謳っている。
ところが、ご存知のようにSTAP細胞なるもの自体が
現時点では再現性がほとんどなくて確認できていないので
ウソ・大袈裟な誇大な研究成果を述べていた社会的責任は逃れられない。
これについては論文の研究不正問題とは関わりなく、
すぐさま公式に謝罪すべきではないか。

また、論文における画像加工等の研究不正に関しては
調査にかなりの時間が掛かるので、
現時点では公表できる内容がないのかもしれないが、
それでも何時までに最終報告をまとめ、
中間報告する予定があるかとかの
行程表を出せないことはないはずだし出すべきだろう。

直近の関連分野の学術集会である
3月4日(火) ~3月6日(木)の日本再生医療学会の前か
http://www2.convention.co.jp/13jsrm/
遅くとも3月10日(月)~3月12日(水)のCDBシンポジウムの前に
http://www.cdb.riken.jp/sympo2014/jpn/invitation/
理研から公式のステートメントを出さないようだと
世界中の研究者達からガバナンスに問題を抱えて
信頼できない組織だと見なされるだろう。

理研STAP細胞について何の謝罪・釈明もしない状態で
特定国立研究開発法人に指定しようものなら
日本の科学技術政策の信頼が大きく傷付き、
捏造ES細胞黄禹錫を「最高科学者」に認定して
大恥を掻いた韓国の二の舞になりかねない。