地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

カルトのやり口

a1214さんという方の「週刊日記」というサイトの
「インチキ宗教のだまし方」という記事が非常に興味深い。
http://blog.goo.ne.jp/a1214/e/2e6ca6153ffe98841eba674cbfb4979f

まず、インチキ宗教の「本」による宣伝戦略について

悪徳商法も本を出しては全国紙に広告を出している。
一時、アガリクス関係の本の広告が毎日のように載っていた。
この手の本の著者・監修者は大学教授や医学博士がほとんどで、この人らは詐欺に手を貸していることをどう思っているのだろうか。

とコメントされているが、
これはニセ科学に加担するナンチャッテ学者連中にも同じことが言えるだろう。

また、

「脅し」は古来からどの宗教もしていることだ。
脅しはアメとセットになっていて、一向一揆の「進むは往生極楽、退くは無間地獄」がその好例。
「地獄に堕ちるぞ」という脅しはいまだに有効なようで、オウム真理教親鸞会も使っている。

福永法源はどういうアメを与えていたのか、『教祖逮捕』ではもうひとつわからない。
神秘体験もアメだが、信じさせるための手段であって、目的ではないだろう。
法の華三法行では、病気治しなどの現世利益がやはり一番のアメということなのだろうか。

たいていの新興宗教は、最初は現世利益を説くが、それだけでは行き詰まる。
そこで、生きがいというアメを与えるようになる。
「世のため人のため」というのもその一つで、難民のためにとか、地球のためにとか言って、金集めをさせたり働かせたりさせる。
「人を救う」ということは「信者を増やす」とイコールになる。

という下りは「真宗大谷派のお坊さん」というa1214さんの言葉だけに真実味がある。
(ご自身の所属される宗派に対する客観的な言及が何より重い)
この「脅しとアメのセット」のところがニセ科学がカルトと結び付き易い部分だろう。
水からの伝言」でも「道徳的に正しい」ということが、
関与する人達(教育関係者など)にとって心理的報酬になっている面がある。
この辺は危険なニセ科学と「笑って済ませられる」トンデモとの差でもある。
自分の問題が「現代科学では解決できない」と感じる人にとって
ニセ科学によって例えば「地球のため」とか「子供達のため」とか、
そういうったものに貢献できると感じることがまさしく「アメ」で、
ニセ科学を捨てて解決できなくなる不安が「脅し」なのだろう。

それと後段で高橋紳吾さんの文章から引用されている部分だが

そしてもう一つ、カルトに入る時には、何かを求めてカルトに入るんだけれども、やめる時にその問題が解決しないまま残っているんです。

というのはニセ科学問題でも考えないといけない部分だろう。
科学者によるニセ科学批判はどうしてもこの部分が難しい。
残念だがものによっては政治的・倫理的問題に本格的にコミットしない限り
ニセ科学にシンパシーを覚える人達(狂信的でない層)は
それに引き寄せられた問題(例えば不安)を残したままで、
また似たようなニセ科学に引っ掛かってしまうかもしれない。
これは難しい問題だと思う。