地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

奴隷解放のために科学理論が必要なのか?

一昨日に「ダーウィンが信じた道」に否定的に言及したが、

katsuya-440.hatenablog.com


読む気があまりしない理由をもう少し書いておいた方が良いだろう。
奴隷制を否定するために進化論を研究したのであれば
ダーウィンは立派な人物ではないかというという異論はあるとは思うが、
科学的根拠がなければ奴隷解放運動に取り組むことができないのだろうか?

奴隷解放運動のことを調べると
ウィリアム・ウィルバーフォースという名前が出てくる。
そう、進化論史でT.H.ハクスリーとの論戦で名高い(?)、
サミュエル・ウィルバーフォースの父親で、
奴隷貿易廃止法の成立に尽力した人物だ。
W.ウィルバーフォースに科学理論が必要だったのだろうか?

因みに一昨年(2007年)はイギリスの奴隷貿易廃止200周年で
それにあわせてW.ウィルバーフォースの半生を映画化した
"Amazing Grace"という作品も公開されている(自分は未見)。

なお、ウィリアムの息子サミュエルの進化論に反対する議論は
十分に内容のあるものだったらしいということは
松永俊男「ダーウィンの時代」(名古屋大学出版会)に詳しく出ている。
ハクスリーがやり込めたというのは進化論サイドによるデマのようだ。