地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

思想

大義のための犠牲とトロッコ問題

倫理学とか道徳心理学の方面で有名な話題にトロッコ問題というのがある。 多数の生命を助けるために少数(元の設定では1名)の命を犠牲にするかどうか そういう倫理的なジレンマについての話しなのだが、 結果的に少数の犠牲が出る消極的な場合と積極的な殺…

“God”と「神」について

先日、感想を書いた川崎謙「神と自然の科学史」もそうだが、キリスト教の“God”を「神」と訳すのは適切でないという話題がある。これに関しては、19世紀中国に来ていた宣教師の間で「上帝」という訳語候補もあり、「神」と「上帝」の間の用語論争があったとい…

奴隷解放のために科学理論が必要なのか?

一昨日に「ダーウィンが信じた道」に否定的に言及したが、 katsuya-440.hatenablog.com 読む気があまりしない理由をもう少し書いておいた方が良いだろう。 奴隷制を否定するために進化論を研究したのであれば ダーウィンは立派な人物ではないかというという…

ダーウィン崇拝は宗教に近いかも

今朝の読売新聞の書評で、 A.デズモンド&J.ムーアの「ダーウィンが信じた道」が取り上げられていた。 実は先日本屋に行った際にも見掛けていたのだが 個人的にはダーウィン本にはいささか食傷気味ということもあって ちょっとパラパラと見ただけで購入はし…

科学を信用しても信仰するな

lets_skepticさんの 「科学を信仰してもいいよ。それが本当の科学ならね。」 http://d.hatena.ne.jp/lets_skeptic/20081208/p1 という記事を読んだが、 普通の人に「科学を信用しろ」と言っても良いと思うが、 「信仰しても良い」というのはちょっと違和感が…

ペダンティック・ナンセンス

ちょっと前に流行った本に、ソーカルとブリクモンの「「知」の欺瞞」(岩波書店)というのがあった。 「科学をめぐるポストモダンの「言説」の一部が「当世流行馬鹿噺(ファッショナブル・ナンセンス)」に過ぎない事を示し,欧米で激論をよんだ告発の書」(…