地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

明るい未来って「地上の楽園」みたいなものだろう

堀川大樹さんという方の「日本のアカデミアの将来はきっと明るい」
http://d.hatena.ne.jp/horikawad/20120106/1325857642
という記事を読んだ。

競争激化で若手専任研究者のレベルが上がっている上に
博士課程への進学率が下がって研究者適性のない進学者が減って
少数精鋭の大学院教育が行われるから
「優秀な研究者と優秀な大学院生で占められる大学の研究室。10年後の日本のアカデミアがどうなるか、楽しみです。」
なのだそうだ。
なんだか風が吹けば桶屋が儲かる式の議論でとても本気だとは思えないのだが、
こういう議論でも勇気付けられる人達が少なからずいるようだ。

近年の科学技術政策の資料では、論文数とか被引用数トップ10%論文数に関して
日本のシェアが低下気味とかそういう分析を見かける。
(例えば http://www.nistep.go.jp/achiev/abs/jpn/mat204j/pdf/mat204aj.pdf )
こういう資料を見る限りあまり楽観的な気分にはなれない。
科学技術政策研究所の分析でも
「企業の論文数が減少し、論文に関する大学の役割が拡大しているが、国立大学の論文数は伸び悩んでいる」
となっているのでアカデミアで状況の改善が進んでいるようには見えない。
それに大学研究者の研究時間の割合が減っていると言うデータもある。
http://www.nistep.go.jp/achiev/abs/jpn/dis080j/pdf/dis080aj.pdf

今がどん底でこれから反転攻勢でV字回復だとかの見方もあるのかもしれないが、
逆境にある人が認知不協和的状況に追い込まれた挙句の
ポジティブシンキングのように思えてしまうのは自分が皮肉屋だからだろうか?