地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

過ぎたる謙譲は愚弄に近し

今朝の読売新聞の書評欄で須藤靖という人が
「窓際科学者を自認する」とか書いていた。
(笠井献一『科学者の卵たちに贈る言葉』の書評)
肩書きを見ると東大の教授なので何を言っているんだと思った。
それで須藤靖について調べてみた。

まず受賞についてみると、
1990年に日本天文学会研究奨励賞、
2004年に日本天文学会林忠四郎賞、
と中々輝かしい受賞歴。
http://researchmap.jp/read0180639/?lang=japanese
科研費の獲得状況を見ると
バリオン宇宙の理論的探求と次世代X線衛星」(2008~2011年度)
「軟X線領域での酸素輝線を用いた宇宙のダークバリオン探査」(2004~2007年度)
と直近10年で代表として基盤(B)を2回取得。
http://kaken.nii.ac.jp/d/r/20206569
更に学振の先端研究拠点事業の
「暗黒エネルギー研究国際ネットワーク」(2009~2011年度)では
コーディネーターをやっている。
http://www.jsps.go.jp/j-core_to_core/h19_kokusai_ichiran.html
更には教科書や啓蒙書を多数執筆とバリバリと活躍中のご様子。
どこが窓際なんだか。

これで「窓際を自認」なんて言ってしまえるような人には、
ポストが見つからず路頭に迷う不安に駆られるポスドクの気持ちなんか、
きっと分らないんだろう。
「こんな勝ち組のボクでも気分は窓際なのヨネェ~」とかだとしたら
雇止めとかで将来に絶望したポスドクから刺されても不思議はないんじゃなかろうか。