地獄のハイウェイ

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薬理作用の実感できる薬剤のプラセボ効果について

夕食に生姜の入ったスープを食べて汗をかいてちょっと思ったこと。
もしも何らかの疾患に罹っていて医者に診てもらって
「貴方の体調不良の原因は体内の水分過多なので汗をかけば治ります」とか説明されて
「この薬を飲めば汗がでますので、そうすれば快方に向かうでしょう」とか言われた場合に、
例えば生姜飴のようなものを飲んだとしたら、
プラセボ効果はただの砂糖玉を出された場合よりも強くなるのだろうか?

治してもらいたい症状とその治癒についてのメカニズムに対する説明に、
発汗や眠気のような実感できる生理現象が必須のものとして含まれている場合、
その説明されたメカニズムが本当は正しいものではなくても
発汗することで患者の主観的症状は改善することが期待できる。
(いわゆるムンテラの同類ということ)
そうだとすれば本当に発汗作用を持った薬剤を投与されて発汗すれば
患者はより強く暗示に掛かることになりはしないだろうか?

治癒に先立つ生理現象についての説明を患者に与えた場合に、
そのような生理現象をもたらす薬剤と
そうでない偽薬(砂糖玉でも小麦粉で良い)とで
比較試験(二重盲検で良い)を行なえばどうだろう。

更に言えば投薬の前の説明に懐疑的か否かで
実際に生理現象が生じた場合の効果も異なるかもしれない。
医師の説明に懐疑的な場合には、
その反動で却って暗示を受けやすくなる可能性もある。
その点では医師の説明に対する信用度の変化との関連についても
同時に調べてみると面白いかもしれない。

逆にある社会で伝統的に受容されている医療の場合などの場合、
その体系に基づく医療者の説明に患者が納得させられやすいので、
ある種の生理現象を引き起こすような薬理作用を持った薬剤によるプラセボ効果
強められる可能性もあるかもしれない。