地獄のハイウェイ

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フリーはつらいよ

 先日、とある学会の懇親会で「無所属」(学会発表でそのように書いておられた)研究者の人とちょっと話をした。論文を投稿しても中々受理されないどころか、「きちんと査読に回してもらってるか疑ってしまうようなこともある」と嘆いておられた。懇親会で話した研究者は、数年前にはアカデミアにいた人なのだが、それでもフリー研究者は大変なようだ。

 確かに査読をする側からすれば、何処の誰だかわからないような著者が、「所属なし」とか、ちゃんとした研究機関かどうか分からないような所属だったりしたら、もしかして「困った変人」の類ではないかと疑う気持ちにもなるだろうし、その人もそういう風に受けたられてるんじゃないかとも言っていた。共著者に「身元のちゃんとした研究者」がいればそうでもないのだろうが、そうでなければ眉に唾つけて見られがちであろう。もし疑いの目で査読に入れば、何かしら論拠の弱い主張とか、何かしらの間違った箇所を見つけたら、「やっぱり」となって後は真面目に読まないなんてありそうなことだ。海外のレベルの高いと呼ばれるジャーナルに投稿したら、エディターの判断で査読に回さないなんてことはザラにありそうな気がする。

 一部にフリー研究者を持て囃すような風潮もあるようだが、フリー研究者を将来的に考えている人は、上に書いたようなリスクを避けるためにも、所属として表記できるような何でもいいから何らかのアカデミックな肩書とか(もしも所属として書けるなら研究生でも可)、あるいはアカデミックな研究者を共著者にするとか工夫が必要だと思う。