地獄のハイウェイ

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”空飛ぶクルマ”の方がオスプレイよりも危ないんじゃないの?

 昨日、米軍のCV-22オスプレイ屋久島沖で墜落する事故があって、NHKとかのニュースでは大きく取り上げている。オスプレイも初期は事故が割と多かったので、危険性云々が色々といわれるが、初飛行(1989年)から34年、運用開始(2007年)からでも16年も経過しているし、400機以上が生産されて運用されているので、安全問題についてはある程度枯れてきていると見なして良いようだ。危険が全くないとは言わないけれど、それを言ったら普通のヘリコプターでも時々墜落事故が起きている。例えば今年4月の陸自のUH-60JA*1の墜落事故は記憶に新しいところだ。だからオスプレイの危険性を殊更言うのはちょっと言い過ぎではないかと思う。

 一方で今日、西村康稔経済産業大臣が2025年万博の「開幕500日前イベント」で、”空飛ぶクルマ”について「飛ぶか心配している方いますが、空飛ぶ車、必ず飛びますから!」と言ったとか伝えられている。”空飛ぶクルマ”というのは小型の電動VTOLなので、人間を輸送するサイズのものは技術的にはあまり成熟していない*2上に、実運用の実績がほとんどない状態なので、その安全性については未知数と考えるべきだと思う。極端にネガティブに考える必要はないが、ある程度の不具合や事故の情報が集まらない間は、あくまでも実験期間と考え、想定外の事故が起きても不思議はないものと考えるべきだろう。

 個人的な意見を言わせてもらうと、オスプレイに乗る方が”空飛ぶクルマ”よりも安心な気がする。

*1:UH-60ブラックホークの派生型

*2:例えば日本における最初の”空飛ぶクルマ”の型式申請は、SkyDrive社によるもので2021年の申請