地獄のハイウェイ

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既存科学への不信感としてのオルタナ系

以前にも少し書いたが自分はニセ科学よりも反科学のほうが深刻な問題だと思っている。

ニセ科学よりも反科学のほうが問題 - 地獄のハイウェイ

広義のニセ科学の中にはいわゆる「超科学」などのオルタナ系も含まれるが
そういうものに標準的な科学の方法論から逸脱している、とか
あるいは科学でなくてニセ科学だと批判しても、
あまり効果は上がらないのではないかと思う。
その理由は、そういうものに入れ込む人々の多くは
既存の自然科学の方法論が真理への道であるという正統派(あるいは体制派)の考え方に納得していないというか異議を唱えているからである。

人生の様々な重要な問題は、科学によって取り扱うことのできないものが少なくない。
そういう意味で科学が必ずしも万能ではないし限界もあるという当たり前のことが、
人々の期待に応えてくれないという科学への不満に繋がることは想像に難くない。
それに加えて
科学を生業とするものですら専門外の分野についてはフォローしきれないという状況で
一般の人々の既存の科学からの疎外感は強いものがあるだろう。
つまり科学という既成の社会秩序における権威が
自分達を疎外し切実な問題に応えてくれないという不信感が
正統派の科学とは異質の説明体系を切望する底流にあると見るべきではないか。

そう考えたとき
「科学を名乗らないからオカルトは批判の対象外」式の発想のニセ科学批判では
オルタナ系やオカルトを含む反科学的な思潮を抑制するのは難しいと思う。