最近、E.ソーバーの"Philosophy of Biology"の翻訳
「進化論の射程-生物学の哲学」(松本俊吉、網谷祐一、森元良太訳、春秋社)がでた。
帯の宣伝文句に
生命科学が物理科学に代わって科学の主役に躍り出るに伴い、現代哲学の花形となりつつある「生物学の哲学」の成果。
とあるが進化生物学の話ばかりで分子生物学のことはほとんど触れられていない。
だから実は邦題の方が原題よりも適切だと思う。
とは言え、生物学の哲学に関するまとまった著作が出版されることは少ないので
非常に喜ばしいことだと思う。
いまだにナイーブな遺伝子選択主義(ドーキンスなど)で
ダーウィニズムを語ろうとする人々が多い中で、
一般読書界に、より精度の高い哲学的な議論が紹介されることの意義は大きいと思う。
訳者の方のブログもあるようなので紹介しておく。
http://d.hatena.ne.jp/yuiami/20090416/1239833165
http://d.hatena.ne.jp/yuiami/20100429/1241036326