地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

目覚めよと、われらに呼ばわる学会の声

政府および東京電力の情報の開示が十分でなかったことに対して
日本原子力学会が声明を出したようだ。
http://www.aesj.or.jp/info/pressrelease/pr20110704.pdf

これまでも政府や東電の情報隠蔽を批判する声は各方面から上がっていたが、
原子力を専門とする学会から声明が出たのは大きい。
もはや庇いきれなくなってきたということだろうか?

声明の中で注目すべきと思ったのは、
政府や東電の情報隠蔽によって被曝被害が拡大した可能性を指摘した
「事故の状況や、放射性物質による環境汚染の状況について、開示するべき情報を保持していたにも関わらず適切に開示してこなかった結果、一般住民の被ばく被害の拡大を招いた可能性があるということは、情報に対する信頼性を揺るがす大きな問題である。」
という部分。

同時に発表された「不適切な情報開示の例」の方では具体的記述もある。
http://www.aesj.or.jp/information/fnpp201103/chousacom/inaeg20110704.pdf
「特に、現地対策本部及び福島県がOFCに残置したとするデータの中には、3月12日の時点で福島第一原子力発電所の炉心が損傷し、かつ原子炉の閉じ込め機能が完全でないという重大な事実を疑わせる、大気ダスト中のTe-132,Y-91等の測定値、また、3月15日の時点で北西方向での沈着による高い汚染を示す雑草中のI-131,Cs-137濃度等が含まれている。さらに、対IAEA 報告書では、官邸緊急参集チームは3月15日採取表土及び雑草の高濃度放射性ヨウ素及びセシウムを把握した旨の記述があるが、データをOFCに残置したとする説明と矛盾し、15日採取表土データは公表されていない。」

こういう指摘を専門学会から受けた日に
玄海原発で地元町長が「国が責任を持つと言っているから運転再開を容認します」
と言ったとかのニュースが流れる現状を見ると
「皆さ~ん!目を覚まして下さ~い!」と叫びたい気分だ。