地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

だって御用学者は嘘吐きじゃん

週プレニュースというサイトで出ている
阪大サイバーメディアセンターの菊池誠教授の
「科学から見た反原発の問題点」
http://wpb.shueisha.co.jp/2012/07/03/12292/
というインタビュー記事が話題になっているようだ。

インタビュー記事というのは編集の手が入って
元の発言そのままということはないので割り引いて受取らないといけないが

「また、容赦なく“御用学者”というレッテルが貼られるようになったことも、彼らが口をつぐんでしまった理由かもしれません。いずれにせよ、初期のつまずきで彼らの意見があまり表に出なくなったのは、われわれにとって大きな損失だったと思います。一番の専門家による専門知識を得られなくなったわけですから。」

と語っているのは自分とはずいぶん異なる認識だと思った。
「嘘つき専門家が信用されるわけない」
で指摘したように
原子炉に注水できなくなると短時間でメルトダウンメルトスルーが起こるということは
専門家の間ではよく知られていたにもかかわらず
地震直後に公共放送に登場した専門家達は
メルトダウンは起きません」と嘘をついていたのだ。
それで信用されなくなった専門家の一部がマスコミから退場したのは当然ではないか。
一方、原子力村は押川正毅さんのいうところの「ダメ科学」なのだから
http://www.slideshare.net/MasakiOshikawa/ss-12190637
「御用」と罵られた位でくたばる様には思えない。

菊池さんが一部の反原発グループにエア御用呼ばわりされていたことには同情するが、
専門家による知識が得られなくなったということはないだろう。
日本原子力学会は情報発信をずっと続けている。
http://www.aesj.or.jp/information/fnpp201103/chousasenmoniinkai.html
福島原発の事故調査に関しては
なんと言っても近々公開される国会事故調査委員会報告書が注目されるが、
それ以外にも
「FUKUSHIMAレポート~原発事故の本質~」(2012/1/30)
福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書」(2012/3/12)
福島原発事故の科学」(2012/4/16)
といった報告書ものも複数出版されているので、
色々と調べたい一般の人にとっての材料は増えている。


「ひどくおかしなことを言っているなぁとすぐにわかるはずのことも信じられてしまいました。例えば、水素爆発を「核爆発だ」とおっしゃる科学者もいた。でも、原子炉の核反応と核爆弾の核爆発がまったく違うのは科学者なら常識です。そういうでたらめなことを言っている、専門家ともいえない国内外の人たちが混乱を助長した面はあると思います。さすがに今は、ああいう極端な話をする人間は信用しなくていいと気づいた方も多いでしょうが、そういった話をいまだに真に受けている方もおられます。」

という菊池さんの発言に編集を加えて

「ひどくおかしなことを言っているなぁとすぐにわかるはずのことも信じられてしまいました。例えば、水素爆発を「爆破弁だ」とおっしゃる科学者もいた。でも、圧力容器のベントと原子炉建屋の爆発がまったく違うのは素人でも分ります。そういうでたらめなことを言っている、専門家を称する国内外の人たちが混乱を助長した面はあると思います。さすがに今は、ああいう極端な話をする人間は信用しなくていいと気づいた方も多いでしょうが、そういった話をいまだに真に受けている方もおられます。」

としたものが自分の認識といったところだ。

※2012年7月4日追記
「科学」と「反原発」という言葉の組み合わせなら
自分も取り上げたことがあるのだが、
久米三四郎『科学としての反原発』という書籍がある。

https://katsuya-440.hatenablog.com/entry/64733394
読んで損はしないと思う。