地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

研究不正事件渦中のサイエンス・コミュニケーション

今回のSTAP細胞事件でネット上の反応を眺めていると
専門的な知識のある発生生物学や再生医療分野の専門家の反応が乏しく、
専門外の分野の研究者などの反応が手厳しく、
そして一般的な市民の反応が薄いという
いわばドーナッツ状の分布になっているように思われる。
一般市民の関心が薄いのはいつものことなのだが
関連分野の専門家であればある程、
渦中の人物達との直接・間接的な人間関係があって
迂闊なことは言えないということもあろうし、
また研究分野の信用失墜などは招きたくないから
疑惑について口にするのが憚れるというのもあると思う。
多分、どんな研究分野であっても、
捏造事件などが起きれば専門が近いほど口が重くなるのだろう。
だからちょっと関心を持ったような層が疑問を持ったとしても
通常の当該分野の専門家に聞いても
納得いくような解説を得ることは難しい。
一方、科学研究に関して普通の教育・訓練を受けた研究者であっても
当事者との関係が薄ければ遠慮なく物が言えるというのはあるだろう。
そうなってくると専門外の研究者などが
当該事件に関する解説者というかインタープリターを務めることになる。
こういう形のサイエンス・コミュニケーションについて
そちらの方で看板を掲げているコミュニケーターだとか
あるいは科学ジャーナリストはどんな風に考えているのだろう?