地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

競争率の問題じゃなくてリスクの問題

若手研究者のポストを巡る競争の激しさとかそういった話題になると
「誰もが憧れの職業に就けないのは当たり前」とかの意見を見掛ける。
それはプロスポーツでもエンターテインメント業界でも似たようなものだろう。
ただそういう大雑把な比較だと見逃されてしまうが、
競争率が高くて挫折してしまうこと自体よりも
挫折の結果として人生の落伍者になってしまうかどうかが、
本当は問題なのではないだろうか。

プロスポーツを例に出すとボクシングとゴルフでは、
事故死や後遺症といったリスクにものすごい差がある。
もしも身内がプロスポーツ選手になりたいとか言った場合に、
それがどんなスポーツなのかで対応に差が出てきて当然だ。

企業の研究職とかエンジニア職とかが多い工学系の分野と
浮世離れの極致のような分野とでは人生を棒に振るリスクは違う。
アカデミアの研究者になることが狭き門ということだけでなく
分野によっては潰しが利かずに人生の落伍者になりかねないことが、
若い人達に十分に認識されるべきだと思う。
遠回しに言うと伝わらないかも知れないので、はっきり書いておくが
理系の中でバイオ系は特にリスクが高いから覚悟が必要だ。