地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

ポスドク問題

バイオは産業界での就職は極めて困難

日本生物工学会誌第86巻第4号の192~193ページに 「博士の生き方」主催の奥井隆雄さんが 「若手研究者がキャリアパスを描く上で必要なこと」という文章を寄せておられる。 その中に総務省統計局の「科学技術研究調査報告」を基に作成された 専門別の研究者数…

ポスドクよ大志を抱け

ポスドク問題でちょっと残念に思うのは、 科学研究者をプロスポーツ選手に喩えるような議論である。 自分はスポーツ選手とりわけ格闘家に対しては 雲の上の人への憧れのようなリスペクトを感じているので、 階級最多防衛記録を持つポンサクレックから 今年の…

ポスドクはテクニシャンになりたいと思うか?

言うまでもないが、ポスドク経験者の進路と言うのは、 分野によって事情がかなり異なるので ポスドク問題を考えるときには注意が必要なのだが、 あえて乱暴に考えてみることにする。 大型の研究プロジェクトであるとポスドクの募集以外に 任期付きのテクニシ…

企業の期待は「ポスドク>新卒博士>修士>大卒」のはずだから

文科省の「民間企業の研究活動に関する調査報告(平成18年度)」で http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/19/10/07102312.htm 採用した研究者の資質について、「期待を上回る」と回答した企業の割合は、全ての区分において10パーセントに満たない。「ほぼ期…

ポスドク問題と科学技術の進歩

自分自身の興味によるバイアスはあるのだろうが、 いわゆるポスドク問題を話題にしているブログなどは 理学系特にバイオ分野が多いような気がする。 工学系は技術者としての就職がアカデミックポストの3倍程で http://hakasenoikikata.com/posdoc_report13.h…

高い競争率は望ましいのか?

ポスドク問題では 多くのポスドクがアカデミックポストに就職できず 路頭に迷っていることが問題視されている。 これは見方を変えれば、 アカデミックポストはポスドクの中から 高い競争率で選抜されているとも言える。 高い競争率によって優秀な人材が選抜…

ポスドク問題で行動しろとか言うけど

ポスドク問題を話題にすると 「あれやこれやと言うだけでは変わらない」とか 「議論よりも行動を」とか言われることも少なくない。 しかしながら、当事者であるポスドクは、 アカデミアであれ産業界であれ職を探すことが 何よりも最優先で行動しなければなら…

ポスドク経験者をリエゾンに活用する案

先日、 アカデミアから民間企業への方向転換の場として 研究生制度というもののデザインを試みてはどうかと書いたが、 あれから少し考えてみたものを書いてみる。 ポスドク問題については色々言われているが、 アカデミックポストに就けないまま、 歳を重ね…

過激なる転向を祝福せよ

つい先日「格闘家は生物学博士」という記事を知った。(http://www.tokyo-np.co.jp/00/thatu/20060711/mng_____thatu___000.shtml)プロ格闘家にして修斗とブラジリアン柔術の道場「パラエストラ小岩」の代表である大内敬(以下敬称略)の紹介記事である。東…

ポスドクの企業への就職活動は転職に近い

lanzentraegerさんの「うすっぺら日記」の[博士課程の就職活動について] が 博士課程在学者の就職活動に関する個人的体験を紹介されていて非常に興味深い。 その中の 「博士課程といえども学生なのだから、社会人のキャリアは当然まったくない。ところが、博…

博士号取得者のキャリアパス問題

博士号取得者のキャリアパス問題について考えてみた。 そこで問題になっているのは概ね、 博士号取得者の就職するアカデミアのポストが少ないし 民間企業の博士号取得者の採用が低調なので 就職に困る博士号取得者が大量に出て困る、 という話である。 文部…

ポスドクを採用したいですかと聞かれても

仕事の関係でポスドクと接する機会も結構あるが、優秀な人に対しては「頑張ってアカデミアに就職できると良いのに」と思うけれど、そうでなくて「あんまり採用したくないなぁ」と思える人が多いのも事実。協調性の無さゆえに「実社会で鍛えてもらえ」と放出…