地獄のハイウェイ

科学・技術や趣味のことなど自由気ままに書き散らしています。

2014-01-01から1年間の記事一覧

論争しない科学者って

STAP事件絡みのネットの記事を見ていてふと思ったのだが、 同業者が研究不正を追及しないことに関して 「科学者は他人の研究報告を批判しても業績にならないのでしない」式の言説を 見掛けることが割とある。 しかしこれは素直に受け取って良いのだろうか? …

生命科学系で研究不正が多いのには訳がある

分子生物学会理事長の大隅典子が自身のブログで 「科学者は競争的すぎる環境に付いていけない」という記事を書いている。 http://nosumi.exblog.jp/20620797/ 研究不正の問題の背景には競争環境の激化があり 生命科学系で研究不正が顕著に多いのは ポスドク…

ありがとう長谷川

昨日の晩は大阪城ホールにボクシングを見に行った。 IBF世界バンタム級タイトルマッチ、キコ・マルチネスvs.長谷川穂積を見に行った。 これが長谷川のラスト・ファイトかもしれないと思って現地で応援した。 声を限りに応援したけれども結果は長谷川の壮絶な…

小保方晴子が信用できない一つの事項

昨日は笹井芳樹が釈明会見とやらをしたらしいが、 特に目新しい証拠などはなかったらしい。 世間の同情を集めるためには 筋道だった論理よりも感情に訴える方が良いというのは 大衆扇動の基本中の基本なのだが、 小保方とは違って笹井はそれよりは責任回避を…

未熟だという自覚があるなら職を辞し学位を返上して修士からやり直せ

自分は映像などは見ていないのだが、 数日前にSTAP事件の小保方晴子が記者会見した際に、 「未熟だった」とか言い訳していると報道されているのを見て 無性に腹が立ってしょうがない。 ユニットリーダーという地位に就いている プロフェッショナルな研究者の…

研究不正は世間から糾弾されて当然

STAP事件についての理研の調査報告は喩えて言うと、 表向きは立派な組織が裏で密入国犯罪をやっている中で、 パスポートの偽造屋が下手くそなために偽造がばれてしまって、 組織の方が「パスポートの偽造は単独犯です」とか主張しているみたいだ、 というの…

「袴田事件」再審決定

昨日、静岡地裁が再審開始と拘置停止を決定したというニュースが流れた。 袴田さんは逮捕以来48年間という長い長い年月の末ようやく釈放された。 もっと早く再審開始が決定できなかったのだろうかとも思うが、 それでも「証拠捏造の疑い」を指摘し 「これ以…

政務官の方が理研理事長よりも専門知識があるかも

STAP事件についての3月14日の理研の記者会見に先立って、 3月13日に文部科学省では、 研究不正、研究費の不正使用に関するガイドラインについて説明会をやっていやようだ。 http://www.mext.go.jp/a_menu/kansa/houkoku/1344248.htm それでネットを色々と見…

研究不正について思ったこと

今回STAP事件では派手な宣伝活動が話題を集めたこともあって 多くの人々を驚かし改めて注目を集めている研究不正だが 研究不正の問題は今に始まったことではない。 この手の話題をまとまって取り上げた初期の著作として知られているものに W.ブロード&N.ウ…

拭えぬ不信感

今日は理研のSTAP事件に関する中間報告で 長い長い記者会見が行なわれたそうだ。 さすがに現時点でクロ断定は出来ないだろうし、 理研サイドはとりあえず組織防衛に出るだろうと思っていたから それほど期待していなかったので 長時間になったと聞いたときに…

「口を出さずに金だけくれ」は通用しない

今回のSTAP事件に関連して 菅官房長官や理研に対して文部科学省を通じて説明を要求したり、 下村文部科学大臣が論文の撤回を期待した発言したことに対して 「研究現場への政治介入の危機」とみなす意見がある。 (例えば http://d.hatena.ne.jp/scicom/20140…

研究不正事件渦中のサイエンス・コミュニケーション

今回のSTAP細胞事件でネット上の反応を眺めていると 専門的な知識のある発生生物学や再生医療分野の専門家の反応が乏しく、 専門外の分野の研究者などの反応が手厳しく、 そして一般的な市民の反応が薄いという いわばドーナッツ状の分布になっているように…

大本営発表「理研ハ、プロトコルニ転進セリ」

STAP細胞スキャンダルで、 昨日、理研が詳細な作製手順と称するものを発表した。 http://www.cdb.riken.jp/jp/04_news/articles/pdf/14/protocol_exchange_v1.pdf 著者は小保方晴子、笹井芳樹(副センター長)、丹羽仁史(今回のコレスポ)。 「簡単にできる…

STAP細胞事件での理研の対応を非難する

今回のSTAP細胞スキャンダルについて、 理研は沈黙を守っているようだが、 この対応は全く以って非難に値するものだ。 問題は沢山あるが直ちに謝罪すべき問題は、 最初のプレスリリースの時点での誇大広告である。 記者会見と比べればプレスリリースの方はま…

余ハ如何ニシテSTAP懐疑派トナリシ乎

STAP細胞スキャンダルの件についてだが、 自分は当初、理研のプレスリリースを真に受けて 「世紀の大発見!」などと興奮していたが画像加工の噂が出てからミスコンダクトを確信してからも それでも「画期的な研究内容」だと思っていたが、 今では全く信用して…

もっと科学を!

STAP細胞事件が切っ掛けで 素人ながら幹細胞研究とかリプログラミングについて ちょっと調べてみたのだが 多能性獲得とか未分化状態維持のメカニズムとかは まだまだ詳しくわかっていないところが多いようだ。 ところが再生医療とかそっち方面の応用の期待か…

STAP細胞騒動について

研究不正に関しては有名なボルティモア事件のように 大騒動になったものの10年を経て嫌疑が晴れたケースもあるので あまり性急な判断は避けたいところだが、 STAP細胞を報告した論文の画像の疑惑から始まった騒動は Natureの方でも疑惑に言及するところまで…

割烹着でcooking?

報道によるとSTAP細胞を報告したNature論文で、 不自然な画像が使われているとの指摘があって 理研が調査を始めたということだ。 http://mainichi.jp/select/news/20140215k0000m040163000c.html それでネットを眺めていたら色々と指摘が出ているようだ。 例…

本田圭佑は3人いた

ちょっと前になるが、 JFLの横河武蔵野に本田圭佑(22)という選手が入団したと話題になっていた。 あのACミランの本田圭佑(27)と漢字まで同一の同姓同名のサッカー選手。 JFLと言えばアマチュアとはいえ全国リーグなので 横河武蔵野の本田圭佑も相当のレ…

差分から見えること

先日も触れた、韓国に出張していた内閣府職員が、 北九州市にゴムボートで漂着、遺体で見つかった事件についてだが、 現時点では、この職員の氏名については報道されていない。 しかし、University of MinnesotaのWEBサイトを見ると それまで2名いた日本人の…

研究者のプライバシーは暴露するくせに

STAP細胞の小保方さんはマスコミの殺到、 中でもプライバシーに関わる報道の加熱に困って 研究活動を長い目で見守って欲しい旨の「お願い」を発表されたようだ。 http://www.cdb.riken.jp/crp/news2014.1.31_2.html 一方で、韓国に出張していた内閣府職員(…

STAP細胞は応用の話し抜きに世紀の大発見

今朝の読売の朝刊のトップは、 理研の小保方晴子ユニットリーダーによるSTAP細胞の話。 これは本当に凄い発見だと思う。 何しろこれまでの生物学の常識を覆して、 哺乳類の分化した細胞を遺伝子導入なしに、 外部からの刺激でリプログラミングしたというのだ…

帰納法の正当化について

帰納法という推論方法がある。 観察された事例を集めて、一般的な規則・法則を導き出す推論で、 これまでは「いつもAはB」だからという観察から、 「すべてのAはB」という結論を導くやり方。 帰納法は正当化できるのかできないのかという議論がある。 (科学…

慎重さに勝るものはない

先日、科学とエセ科学を見分けることについて 「役に立たない「七つの基準」」という記事を書いたが、 katsuya-440.hatenablog.com そもそも科学とエセ科学を簡単に見分ける方法があるとか、 そんならくちんなうまい話があると思わないほうが良いと思う。 も…

役に立たない「七つの基準」

朝日新聞の高橋真理子という人が 「エセ科学 見分けるための七つの基準」 http://apital.asahi.com/article/story/2014010800005.html という記事を書いている。 この人は除洗に関わるインチキ商売のことを話題にしたかったようだが 除洗に関してはエセでな…